街路樹
新緑の季節、軽やかなミドリの風を身にまといながら街を歩く時、緑のありがたさを感じます。街路樹は都市の緑の中でもっとも人々に触れる機会が多く、人々の心に残る都市景観の一つといえます。 しかし、この街路樹も、全国的に幅の狭い歩道に植えられることが多く、各種の問題を起こしています。街路樹はもっとも人々に認知されやすく、都市イメージの良否を問われる貴重な社会資本でありながら、場所によっては撤去してほしいという声も聞きます。 これは住民のわがままというより道路構造と樹種の選択の段階で問題があったのであり、全国的に道路構造と街路樹、サイクリング道路などと共に総合的に見直すべき時代になっていることの証しであります。 具体的な問題として考えられることは、歩道の決定的な狭さ、植枡の小ささ、生育基盤である土が舗装で覆われている。等が挙げられ、多くの歩道に不透水舗装がされているため、樹木は水を求めて舗装の表層と下層路盤の間に細い根を張りわずかの水を便りに成長していく。 ある程度根が成長するとその圧力で表層に亀裂が生じ、そこから水が浸透しやすくなってさらに根は成長する。結果、歩道面は凸凹になって車椅子も通れない状況となります。 車道側のU字溝に向かった根は、U字溝の繋ぎ目から徐々に根を張り排水溝を破壊してしまいます。 このよう現象から、これからは車道の幅をマイナスし、緑が育ちやすく高齢者にも優しい歩道の整備が急務となっています。狭い既存の道路復員を増やせない時には、今まで道路構造上の強度などを先行させて設計されてきた路盤に、上部からの圧力に耐える植栽基盤としての路盤の改善を進めるべきであります。そのことによって、狭い植枡の中で奇形になっている街路樹などの醜い姿を見ないで済むようにしたいものです。
by harutokobayashi
| 2007-06-03 10:25
| 設景の思想
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