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問われるデザイン力・管理力
デザイン力・管理力
夏休み最後の土曜日8月30日に、公園管理運営士会会員の交流会を、開園してすでに25周年を迎えた国営滝野すずらん丘陵公園において開催した。25周年を記念して園内各所に立体花壇などが配置されているさなかでの催しとなった。
午前10時半から管理センターの倉田斉管理係長に「カントリーガーデン」を中心としたエリアの案内をしていただきながら、主として花卉類の栽培技術と、花の空間演出について管理上の課題など各種説明を受けた。
今回、参加者の構成が都市公園管理、造園施工、公園設計、自然公園管理、学位所有者など全員が10年~40年の経験を有するプロフェッショナルな人ばかりであったので、それぞれ専門的な立場から各種の感想を持ったようであった。その中のひとつに、花の空間演出のためのデザインがどのようなプロセスで行われ評価され、施工されているかにあったように思う。今回の場合、時期的に花の主役が夏から秋への変わり目であったこともあり、少し寂しい印象が強かったのかもしれないが、今後大規模公園の広大な空間に対しての花のデザインのあり方、広大な空間、言い換えれば大地というキャンバスにどのような花の景を描くかデザイン力が問われていたように思う。
午後は1時から3時にかけて高橋理施設係長から「こどもの谷」「森のすみか」の案内と説明を伺った。「子供の谷」は「カントリーガーデン」のように花の景を楽しむのと異なり子供たちの遊びが中心になる。虹の巣ドーム、フワフワエッグ、溶岩滑り台など大変な人気で利用者が多いため安全管理のために施設の点検・補修、要員の配置などご苦労が多いと聞いたが、設計を担当した人のデザイン力の成果である。
「森のすみか」は施設のほとんどが木製のため腐食が進みやすく、その交換経費など管理費を圧迫するとのことであったが、空間のテーマから言っても木製が素材になっていることは適切であり、木工技術伝承の場を提供することにもなり、安易に人工的な素材に転化することは避けるべきであるという声が強かったが、管理経費との関係で今後の展開が危惧される課題である。
また、3時から4時にかけて会員同士で懇談の時間を持つことができた。
Q:最初になぜ公園管理運営士の資格試験を受けたか事務局が質問した。
①指定管理者制度が実施されている時代、早く資格をとっておくほうがビジネスにも有利と考えた。管理運営業務を受託するには資格が必要となるだろうから・・・。
Q:公園管理運営士会への要望は?
①指定管理者制度の手続き方法、課題、事例など情報交換ができるようにしてほしい。
②公園管理運営士会の開催する現地研修会はCPDにポイントされるようにしてほしい。
③設計の現場にも公園管理運営士が参加することを基本とするべきである。
④公園管理者の顔が見えるような管理をすべき、管理者の名前写真など掲示する。公園に行けば○○さんが親切に教えてくれる。ということでリピーターが増える。
⑤公園管理運営士には、公益法人に所属する個人、施工関係者、設計者、コンセプター、コーデイネーターその他民間施設の緑地管理者など多彩な職能人が一緒に登録されているが、今後テーマ別、専門別に会員名簿など分類すべきである。
などが短い時間に話し合われた。そのほかでは公園の各ゲートのネーミングが利用者に混乱を招いていないかなど指摘された。
次回は10月25日(土)国営みちのく杜の湖畔公園で開催される。デザイン力・管理力を高め、造園産業の明日を拓く気概のある専門家はぜひ参加されたい。
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by harutokobayashi | 2008-09-15 05:25 | 職能論
公園管理運営士会
(前文)
 都市公園の質を高める資格者集団となる公園管理運営士会が6月に発足した。公園管理運営士という資格制度は、都市公園の管理運営を円滑、効果的に推進するため2006年度に創設され、現在までに1350人を超える資格者が誕生している。初代会長の小林治人東京ランドスケープ研究所社長に、今後の活動方針などを聞いた。
(本文)
――会発足の意義と背景は。
 まだまだ不足しているとはいえ、公園緑地の量も一応の成果を挙げてきた。21世紀に入り、量の成長期から質の充実期に移行し、公園緑地を管理することが重要な時代になった。本会の発足は、社会のニーズに合わせて質をいかに維持するか、多様な管理業務の質をいかに担保するか、管理者の質をどう評価し高めるかなど、これらの命題を解決するために活動する会である。
――めざす活動イメージは。
 アメリカの2006年中小企業白書に紹介された「エコノミック・ガーデニング」の考え方が地域活性化の新戦略であることを知った。
 この考え方は、地域の個性、古いもの、地域住民の原風景的な潜在力を横断的に連携させるための情報プラットホームを位置づけ、そこで得た知識・情報を知恵に変換し、地域活性化戦略に採り入れようというもので、私は、現在全国にストックができた九万三千箇所の公園をそのための戦略基地とした地域づくりの時代が来たと考えている。
――日本の現状は?
 今日本では財政再建の御旗の元、公園の管理費削減など予算的に厳しい状況が続いている。このような状況の中で創造的議論が受け入れられる風土が乏しくなっている。今後は税金に頼らず、公園緑地経営が自立できる収益事業が可能なように、規制緩和策が必要だ。
地域力を高めた事例は
具体的イメージとしては、国営昭和記念公園が挙げられる。この公園の出現によって、かつての基地の町立川は芸術・文化の町に豹変し、文化の森上野公園に対峙して地域資産評価を高めている。
会員が留意すべきことは?
 20世紀を「知識の豊かさ」を競い合った”進化”の時代とするならば、これからは「知恵の豊かさ」を”深化”させる時代と呼ぶことができる。本会会員は、予期せぬ管理運営上の問題にも知恵者として臨機応変に対処できるゼネラリストであることが求められる。
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by harutokobayashi | 2008-09-15 05:18 | 職能論