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東アジアの潮流
 韓・中・日の造園人交流
 今年3月1日に、韓国造景士協会(KSLA)の創立30周年を記念して、東アジアの日本・中国・韓国の造園作品展とセミナーを記念事業として開催したい、ついては日本の造園設計界から関係者の作品展示協力と、セミナーへの参加をお願いしたいとKSLAから3名の代表がランドスケープコンサルタンツ協会(CLA)事務局で要請を受けていた。
3カ国の造園作品展会場は、造園施設博覧会と同じCOEXのホールを利用して{韓国ランドスケープEXPO 2010 会期:6月16日~6月20日}として開催されたが、日本の環境緑化新聞が中心になって行ってきた「エコグリーンテック」を連想させる内容で充実したものであった。
 ここではセミナーの一部について紹介したい。最初になぜ私が招かれたかについてであるが、30年前この協会創立に努力されていたDr.Whee young OhがともにIFLAの同志として長年行動をともにし、造園に関する幅広い意見を交換していたこともあり、すでにCLAのOBとなっている私にオープニングで30周年の祝辞を述べてもらいたいと要請があったのでこの会に参加した。私は、お祝いのあいさつの中で19世紀後半から20世紀にかけては、アジア諸国は欧米型の造園文化を標準として学んできたが、21世紀になりアジア地域の経済発展にけん引されて、アジア型の造園文化が世界標準になりつつあることを訴え、今回の催事はその出発を意味する旨の話をした。
日本の造園設計界を代表して、大塚守康CLA会長は「日本におけるランドスケープの現状と今後のビジョンについて」と題して、20世紀後半の約半世紀にわたるランドスケープデザインの流れを具体的な作品例を通して実に簡潔に的を得た内容で話された。その中で1990年花の万博の効果によって住宅などに花が多用されるようになったこと、生物多様性を意識した水辺の自然回復の事例など、非常にアジアの仲間に分かりやすい内容で会場の人たちも良く理解されたと思う。
続いて、日本からの作品パネル展示参加者を代表して、三谷康彦MLS代表が、日本の造園家の資格制度の概要として「登録ランドスケープアーキテクト(RLA)」について紹介した。RLAの性格と位置付け、制度の概要、試験問題の出題範囲と出題形式、土地利用ダイアグラム、敷地計画、造成・排水設計、植栽設計、詳細設計と丁寧に内容を紹介し、今後国際基準となるような造園家の資格検討が大切ではないかと所見を述べられた。
中国からは、中国国内で進められている各種の大型プロジェクトが紹介されたが、あまりにも多くのプロジェクトが紹介されたことと、言葉の壁があり十分理解できなかったが、たくさんの仕事が動いている実態と、そのプランニング&デザイン手法など紹介されたことで欧米型から脱皮して、中国標準的な流れを感じさせる内容であり、急速にこの流れが大きくなって、その影響力が世界に及んでいることを強く感じさせた。
地元韓国からも大型プロジェクトが紹介され、コンペ作品の応募内容など学ぶ点が多かった。中でも「2013年順天湾国際庭園博覧会(2013・4・20~10・20)」会場計画(約56ha)の紹介は、ウオーターフロント計画技術を駆使していること、樹木原(25ha),国際湿地センター(105ha)貯留池(25ha)など、アジア造園文化の潮流が世界造園文化標準に強く影響し、流れを変えつつあることを感じさせた。
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by harutokobayashi | 2010-07-11 05:35 | 国際交流