韓国チョンゲチョン
韓国清渓川
 韓国清渓川(チョンゲチョン)は昔、開川(ゲチョン)と呼ばれた。ソウル西北仁王山と北岳の南麓南山の北麓などから始まり都城の真ん中で合流し西から東方面に流れる延長10.92Kmの都市河川である。1394年ソウルが王朝の都として定められて以来都城の中部を地理的に政治、社会、文化的に区分する象徴的な境となってきた。
このゲチョンは、今まで最高の自然下水道として人口密集地帯を流れていたが衛生問題の原因となっていた。1945年8月15日韓国独立後は特に河川沿いに簡易家屋が密集し、し尿が垂れ流し状態となり衛生面で大きな問題を引き起こしてきた。この状態を打開するために、1958年5月25日~1961年12月にかけて鉄筋コンクリートによる覆蓋工事が行われ、1871年からはその上部は地上と高架式の二段式の幹線道路として1日16万台の車利用があり、うち10万台は通過交通として都心部の重要な機能を負わされてきた。
 その後ソウル市長李明博(イ・ミョン・パク)、現17代韓国大統領はソウル市長に着任した翌2003年7月1日から2005年9月30日にかけて5.8Kmの都市改造政策の中核的プロジェクトとして都市に清流を呼び戻すためのチョンゲチョンプロジェクトを強力なリーダーシップによって推し進めた。
チョンゲチョン復元の意義に「21世紀文化環境都市ソウル」を目標に①歴史都市ソウルのアイデンテイテイーの確保②都市管理に関する新たなパラダイムの構築③ソウルの産業競争力の強化を掲げた。この事業推進に当たっては長年川沿いに張り付いた小企業の店が密集しているところからこれらの人たちの説得が大変で、当時は1000回にも及ぶ説明会に市長はじめ担当者が出席し、環境が良くなることの効果を説いたという。
都市内交通については、工事着手1年前から市民にこの道がなくなることの広報を繰り返し、市民も1年前から対策を考えたという。
流れは40cmの水深と12万トンの水が確保され、そのうち地下鉄のトンネル・建物などからの水2万トン、ハンガンから10万トンの水を取水し、ソウルの森で浄化しポンプアップしている。この流れには22箇所の橋があり、15箇所が歩車道橋、7箇所が人道橋となっている。
総工事費3千850億ウオン(約270億円)、一日あたりの管理運営費は385万ウオン(約27万円)である。この工事を記念した文化館が工事費140億ウオン(約1千億円)で建設されていて事業のすべてを詳しく知ることができる。ここには午前2人午後2人ずつのボランテイア(50~60代)がおり親切に館内の案内をしてくれる。
私は楊柄澤さんに案内していただいたが長年韓国海外協力事業団(CICA)に勤務されていた方で国際的な視野から客観的にこの事業についてお話いただいた。韓国でもボランテイアの募集はネットで公募していると聞いた。
 私がこのチョンゲチョンの清流沿いの道を歩いたときは土曜日の昼時であったが、背広姿の人、OLグループ、年配の散歩者、などなど大勢の人たちでにぎやかであった。おそらくこの事業の名声に惹かれてきたと思われる欧米系の観光客も多くソウルの新しい観光スポットになっていた。このような市民の憩いの場としてのみでなく、生態的にも多様化が進み2006年9月現在の調査では、哺乳類3種、魚類23種、昆虫45種、鳥30種、爬虫類7種、無脊椎動物39種、植物229種の合計376種の生物がリストアップされていた。訪れたとき流れ沿いのヤナギが芽吹き始めていたが次回は緑に覆われた季節に再訪し歩いてみたい。
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by harutokobayashi | 2009-03-22 14:58 | 設景の思想
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