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公園管理運営
公園指定管理の現状
 6月16日午後、大阪で公園管理運営士会が開催した「指定管理者として克服すべき課題とは」をテーマに公園管理運営に従事している経験談と関係者のパネルデスカッションを聞く機会があった。
最初に「芦屋市総合公園及び箕面公園からの報告」(株)ヘッズ取締役大阪事務所長の田中康氏が行った。氏によると最初の1年は地域住民、中でもボランテイアの人々との信頼関係構築に時間がかかったが、創意工夫を凝らし、きめ細やかな管理運営に努めて年間収入も30%アップさせ、利益の再投資計画も策定して2年目にはすっかり住民との信頼関係ができた。3年目にはこの成果が評価委員会で評価されたが議会関係の承認が得られなかったことが報告されたが、利用者に重点をおいた現場最優先の考えだけでは継続更新に結びつかないこと、業務途上において事務手続きなど少しでも不備があると却下の理由にされることが語られ氏の無念さが会場に伝わった。
二つ目の紹介は「近江富士花緑公園事業における課題」西部造園(株)管理運営事業部滋賀統括所長 金児維知郎氏から管理運営に当たっての基本方針に沿った維持管理、施設運営、森林ボランテイアの育成、施設の効率的な運用、地域連携など語られたが委託費の縮減の中で公園利用者に文化的で質のよいサービスをどのように提供するかが課題であることなどが報告された。
その他この両者に関連して出た話題としては、指定管理業務の更新期に対前年度比10%減という状態を繰り返すとその先には指定管理者の人件費も払えない状況になること、また評価の内容がネガテイブチェックに傾きがちでよい点が評価されにくいなど、公園管理運営士の立場を超えた対応が急務である現状が浮き彫りにされたように見えた。
また、全国的に公園でのボランテイア活動に生きがいを感じている人が多いことを大変心強く思っていたが民間に管理が映るとボランテイアの見方が変わるという発言はなるほどと思った。「オマエラ草刈をただでさせるんか」とか・・・。今まで公のためにしていたボランテイアが民間企業のためにやっているように映るようだ。
しかし、兵庫県立大学大学院平田富士男教授が大学で行ったボランテイアグループの意識研究では、逆にお役所的でない仕事ぶりを評価するという結果が出ていることが話され、指定管理者としての意義と、動く姿をしっかり見せることであると補足された。
ゲストコメンテーターの亀山始(社)大阪府公園・都市緑化協会理事長は、公園の専門家は公園のポテンシャルを地域力としてさらに活かすために公園の存在性・利用性などから経済効果を計算して社会に示すべき、また公園に携わる人で公園の将来像を示す仕組みづくりも必要性だと提案された。
最後に平田教授が①指定管理者選定評価基準②費用のみに偏在しない評価③公園の将来ビジョンを掲げる。の3点に課題を整理して終わった。
by harutokobayashi | 2009-06-25 19:26 | 職能論
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