余暇関連産業の傾向
「公園緑地と余暇関連産業」
公園緑地と余暇関連事業の関係について「レジャー白書2004」で見た。
①労働時間が増加している。これは平成15年の年間総実労働時間(規模30人以上)は、1846時間、と前年に対し9時間の像となっている。これは15年度後半からの製造業を中心とする企業業績の回復傾向を示すものである。
②家計収入。支出は6年連続減少し、支出では交通・通信費、特に移動電話通信料の増加が教養娯楽費などを圧迫している。
③「ゆとり感」の回復は見られず。心理的にも「ゆとり感」は平成13年度頃に比べて回復していない
このような余暇をめぐる基本的環境、時間的、経済的、ゆとり感といった面では公園緑地で余暇を楽しむという図式になりがたい感じであるが、余暇関連産業・市場は平成15年で82兆1550億円の巨大産業であり、娯楽部門のパチンコ市場が大きな比率を占めている。こうした中でフィットネスクラブ(スポーツ部門4兆4670億円)デジタルAV機器(趣味・創作11兆4930億円)ゲームセンター(娯楽部門56兆790億円)観光・行楽部門10兆4590億円などが好調である。
これら公園緑地を利用するであろう余暇利用者の動態調査結果傾向に対して、公園緑地に一人でも多く余暇利用者を受け入れようとする対応者は、幅広い人間研究者としての素養が求められる業務であることを改めて思い知らされる。
激しく変化する社会との対応の中で、人々が公園緑地に期待するものがどのようなものなのか、人々の心の動きを常に観察していなければ、公園緑地に何を造るべきかがわからないことになる。ただ造れば地元から喜ばれる時代ではない。
大都会の多くの生活者が、乱立する高層マンションの狭い住居で個人の庭がもてないでいる現実、そんな時、身近な生活圏域の中に公園緑地があれば、花や緑に触れたい、小鳥の声も聞きたい、風にそよぐ新緑の梢をめでたい。孫の手を引いて落ち葉の中を歩きたい。などなど、この何気ないささやかな生活者の願いをかなえることが、そこに育った人々のこころの中に心象風景となって残り、地域の緑の文化となっていく。
100年有余年前、パーク、パブリックガーデンとして伝えられた西欧型文明が、日本の各地の風土の中で、独自の個性を持った都市公園として根付いたとき、そこは地域文化の一つの拠点になるのだという考えが、更なる公園緑地利用者を集めることになる。
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by harutokobayashi | 2006-08-21 16:29 | 設景の思想
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