設景の職能
「設景職能環境」
 設景の職能に生きてきた一人として、今後の職能環境変化について考えてみた。
20世紀末からの急速な環境への認識の高まりと、大都市における超高層ビルなど巨大人工空間の出現によって、都市計画、建築、都市基盤施設技術(今迄土木といわれた分野)、彫刻に代表されるアートなど多様な技術者・作家などと創作活動を協働する機会が益々増えている。その時造園・ランドスケープ関係者の声が小さく、あまり期待できないなどという声を聞くことがある。心外である。
 確かに緑環境の重要性は、広く社会に認識されているものの、一般的にはその中心をなすべき造園関係者の多くが、巨大プロジェクト全体の進むべき方向性の根底をなす哲学・発想を発気しえないで、外構などという部分の仕事に押しやられることを享受しなくてはならない状況にあることは事実といわざるを得ない。
公共事業として公園緑地など各種の緑化事業が推進される場合、その設計業務も入札制度が確立している以上、法を遵守することが絶対条件であるが、何か他に良い方法は無いものかと思う。今のままだと人々の求めに応じられる能力・智恵を生かせない。大きな国家的損失である。
 現状を肯定したとしても、入札への応札資格を得るために、技術士など有資格者の人数などが評価の対象となり、一定以上の組織化が重要事項である。この場合優れたセンスを持つ個人設景家など活躍しにくい。
 このように職能環境の変化は著しくその対応は容易ではない。早急に関係者特に発注の立場に立つ者は実態を把握し、新しい世紀に合った発注方式を開発しなければならないとともに、21世紀、地球環境も含めた多くの課題解決に挑戦する職能人も自らの道を、自ら開発していく危害がなければならない。また、同じ職能に在る仲間に希望を与え、確固たる道筋を示すために、関連職能人の横断的連携強化によって、明日が今より良くなる職能環境創出に向けて命がけの努力をしていく時である。
(2006・12・31・舞浜ユーラシアにて:ATLAS・21設景)
[PR]
by harutokobayashi | 2007-01-02 22:09 | 設景の思想
<< 日本における環境創造の方法 環境建築 >>