尾瀬国立公園
尾瀬国立公園記念式典
尾瀬から地球環境へのメッセージ
12月23日午後1時から午後5時まで、
日本消防会館ニッショウホール
 山岳湿原の保存に熱心な地元民間人の力強い運動が実って、平成19年8月30日「尾瀬国立公園」に指定されたことを記念した式典があった。湿原としては国立公園28番目の「釧路湿原」に次ぐ29番目の国立公園である。
尾瀬は昭和35年に国の「特別天然記念物」に指定され、さらに湿原生態系としての価値が評価され、平成17年11月に「ラムサール条約湿原」として登録されていた場所である。
式典のプログラムの中で「自然環境を肌で学ぶ」と題して養老孟司先生の話にうなずくことが多かった。

 まず最初に先生は、昔訪れたところに今行くとその変化に驚く、昔畑であったところが森になっている。この変化は時間の経過で当然なことかもしれないが、昔感動した記憶の風景などイメージを損なわないためには、変化した現状を見たくない気持ちもある。他方記憶は当てにならないとも思う。というような話から始まって。専門の脳の話をされた。

 人間の脳は、五感から入力された刺激によって、脳の中の演算装置が働いて運動として出力される。この出力した運動の結果が入力に影響している。
脳から出せる出力は運動だけである。運動は筋肉に依存している。筋力が無いと五感が訓練されない。五感を磨くには位置移動が必要であり、自然環境の中で五感を磨くことが効果的であることを説いておられた。
 脳の中には運動のプログラムがある。しかし、現代のスポーツは一種目のみ特化させ強くならないとアスリートとして通用しない仕組みになっている。さらに現代日本の運動は種目ごとに縦にバラバラになっていて、各種の運動を横断的に支える文化の中の動きが変わった。

人間を含めて生き物が常に備えているものには次のような特徴がある。
①環境の急変に対応する能力。
たとへば、敵がどこから攻めてくるかわからない時代の日本の武道には、柳生の兵法の心のおき方がある。相手の剣においてもいけない、自分の剣においてもいけない。体のどこにも力を入れないで、フワフワとしている。この状態を隙が無いという。現代人は身体に力が入っていて動きが重いように見える。だから即座に予期できない出来事に対応する力が弱い人が多い。
②、次の動きを予測する能力。
 次の動きが予測できない人は置物である。脳に備わった予測力によって最も合理的に身体を動かすことができる。予測する力は筋肉より先に脳が持っている。
②移動能力
動くと変わる。常に動くことによってものなどの違いがわかるような五感が働くようになる。しかし子供と同じ「違い発見テスト」をすると子供の五感が優れている。
しかし、自分がわかっていないのにわかっていると思っているのが大人、このように感覚が鈍ってくると逆に平和になる。

学生時代、世界を変えようと仲間と騒いだ時期があった。世界とは何か漠然として捕まえようが無いのに世界を変えようと思った。この解決には自分が変わればよいと気づいた。
意識をコントロールしているのは脳(五感)であるが、頭が先でなく身体が先に動く、体が意識を変える。意識は情報しか扱わない。言葉の世界は皆同じ、印刷された情報は何年たっても変わらない。
人間は日々変わっている。自然は皆違い同じものが無く、人の思うようにならない。意識は自分を狭くしていく、(意識過剰)
都会の人は長生きするが、それは本来の意味で生きていないで、動かないでただ息をいている人が多い。
都会は意識の世界、自然は感覚の世界、自然環境を肌で感じ取ることがもっとも良い脳への入力となり、良い運動を出力してくれる。
後は皆さんで考えて欲しい、という内容であったと理解した。
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by harutokobayashi | 2008-01-04 05:42 | 設景の思想
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