ストック・マネージメント
 「ストック・マネージメント」
2008年11月8日、公園管理運営士会関西ブロック交流会を国営明石海峡公園、兵「
庫県淡路景観園芸学校を会場に開催した。今回は、(社)ランドスケープコンサルタンツ協会関西支部、(財)日本造園修景協会兵庫県支部、阪奈和支部の協賛で開催された。
長谷川清弘管理センター長、中出佳秀業務課長らの案内・説明で小雨の中、明石海峡公園と淡路夢舞台を視察、意見交換を行った。公園の樹草も大きく生長し、適度な小雨に錦秋の美がひときわ美しい中での視察であったが、特に巨大な土採り跡地の切土法面緑化がわずか10年の歳月で、豊かな林を形成している姿を見て、緑化の専門家である参加者は、それぞれ造園の仕事に生きる確信を得たように見受けた。
公園視察後は小雨もやみ、兵庫県立淡路景観園芸学校のキャンバスならびに研究棟など見学、同校の平田富士夫教授に「公園管理運営士・公園管理運営士会への期待」と題して講話をしていただいた。その後、糸谷正俊副会長の司会で懇談会を持った。現役の若い人から組織のOBになった比較的高齢な人が同じ課題で語り合うことができた。
さて、平田教授は、米国オバマ次期大統領が国民に訴えた米国のCHANGE(変革)を叫んだように、わが国の造園産業界において最もそれが急務であると論じ、その理由について氏の経験談を交えながら語られた。(本誌620号で農大近藤三雄教授も同じ呼びかけをしている。)平田教授の論点は、①変革を受動的に受け止めたとき、事業費の推移から見ても、今までの建設から維持管理へ移行している。②能動的な意味では、変わることによって新たな可能性が広がる。それは、維持管理からマネージメントへ大きく流れが変わったことを意味すると述べ、国民、利用者のための公園管理運営の時代であることを強く認識して、このような大きな変革の波を有効に活かすチャンスとしなければならない。とした内容であった。
これらの流れは、造園関係の業務に限らず、わが国の人口動態の変化、戦後一度も減少を経験しなかった総人口が2006年をピークに、2007年より減少し始め、この人口減少と高齢化は、社会資本ストックが一定であっても一人当たりの社会資本ストックを上昇させ、一人当たりの付加価値を高めることになることを示唆している。
他方、内閣府の資料では、仮に今後の社会資本投資額が一定に推移したと仮定した場合、総投資に占める維持・更新費用の割合は、2001年の20%から2020年には50%に達するとされている。都市公園法制定50周年を超えた現在、全国の公園ストックは、開園して時間が経過し、施設の荒廃、樹草の過成長、公園利用者ニーズの変化など、維持・更新投資を大幅に増加させなければならない状況になることは確実で、公園管理運営士会としてもこのストック・マネージメントの戦略を研究開発することが大きな課題である。
伝統あるわが国の造園産業界を、公園管理運営を軸に、21世紀の環境重視、国民・利用者重視の職能として強化・再生させるために、造園産業人は、造園産業界変革について考える機会を共有し、多彩で幅広い内容の公園ストック・マネージメントに参画することで新たな知恵を育むべきである。
他方、人口減少による労働力の減少は、労働節約的な技術革新、イノベーションによる生産性向上、労働力の質を高め維持していくことなどが求められるが、生き物を主役とする公園などでは、人手に頼らざるを得ない業務が多く、技術革新・イノベーションにもおのずから限界もある。その対策として、高齢者社会化が急速に進む中で、熟年の公園マネージャーとしてセカンドライフを遅れるように、たとへば、現在好評のパートナーの枠なども増やしていく必要がある。
by harutokobayashi | 2008-12-03 22:00 | 設景の思想
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